看護師として働いていると、「同僚や先輩のように、うまく働けない」「私ってこの仕事に向いてないのかな?」「仕事が辛いのは、自分にあってないから?」と思う方も少なくないでしょう。
この記事では、看護師に向いている人、向いていない人のタイプ・特徴、また辞めてしまう前にやってみる対策方法なども解説します。タイプ別のおすすめの職場も紹介しているので参考にしてください。
看護師に向いているのはどんなタイプ?
心身ともに丈夫
看護師の仕事は入浴介助や移乗、体位交換など体力を使うことが多いです。また基本立っているか動いているかで、長時間じっと静かに座っていることはありません。夜勤で不規則になるケースもあり、体力がある方が向いているでしょう。
心の面から言うと、人の生死にも関わるため、精神的なプレッシャーも大きくなります。ショックや悲しみ、ストレスを引きずらず、ある程度は割り切って動ける人、心身ともにタフな人は向いています。
コミュニケーション力
昨今”コミュ力”という言葉がよく使われますが、看護師はなかでも多くの人と関わる仕事です。「人の話を聞く」「こちらからも発信(確認)」することが多くなります。
看護師同士はもちろん、医師・薬剤師、そのほか医療スタッフと連携して仕事を進めます。また患者さんだけでなく、その家族ともコミュニケーションを取らなくてはいけません。ちょっとしたコミュニケーション不足が、大きなトラブルにつながったりします。あの時の伝え漏れ、確認漏れのせいで、仕事が二度手間になってしまった、ということも多々あります。
面倒がらずに人と関わることができる人は向いているでしょう。
向上心・意欲がある
医療・看護技術・システムは日々進歩しているので、自分の知識や技術もアップデートし続けることが大事です。向上心や成長意欲がある人は向いていると言えます。
看護師に向いていない人はどんな人?
人と関わりたくない!
「人と話をするのが苦痛」「人となるべく関わりたくない」
多くの人とコミュニケーションをとりながら進める仕事なので、そういった人には負担が大きいでしょう。
「人と目を合わせられない」
また、うまく喋れない患者さんと言語外のコミュニケーションをとる場合、目の表情に頼りながら読み取ったりもします。人と目を合わせるのが苦手な人は苦労が大きくなります。
引きずりやすい性格
看護師も人間ですから、生死に直面したり、自分のミスが続くと落ち込むこともあります。
ただそれでも日々、いろいろな患者さんと接しなければなりません。落ち込んだままで、切り替えができていないと、全く関係のない患者さんを不安にさせます。話しかけづらい雰囲気にさせると、コミュニケーション不足になり、またそれがミスや事故につながる、と悪循環を呼びます。
しかし、これらも経験を積んでいくと、気持ちの切り替えはできるようになっていきます。つらいときは、一人で悩むことなく同僚や先輩に話をしてみることが大事です。
血・排泄物が苦手
看護師は血や尿、便、吐物などの排泄物への接触が多くなります。また患者さんの前で嫌悪感を顔を出さないようにこなさなければなりません。
最初は嫌悪感があったけど数年経てば慣れてしまった、という看護師が大半ですが、長年経っても激しい抵抗感があるならば適していないでしょう。
極度に不器用
看護技術では、細かな手の動きが多くなります。また採血・点滴はどの科にも共通した基礎・基本なので出来ないでは済まされません。極端に不器用であれば向いていないでしょう。
ただ最初は不器用でも、「いやでも慣れていくから大丈夫」という経験談は多いです。「慎重で丁寧なところだけは褒められて頑張ろうと思った」と反復練習と経験をつむに連れて、慣れていく人もいます。
対処方法
周囲に相談
友人や同僚、プリセプターなどに話すだけでも気が楽になることがあります。
話してみると、先輩の看護師も、昔は同じことで悩んだり辞めようと思っていた、ということは多々あります。また言葉に出すことで、自分でも悩みを客観的に見ることができるので、解決の糸口になることがあります。
異動
看護師自体が向いていない、のではなく今の科や職場があなたに向いていない可能性があります。病棟・診療科を変わることで、働きやすくなることもありますので、異動の希望を出してみることもお勧めです。
休暇をとる
自分が仕事に向いていない、辞めるしかない、と選択肢が全くない時は、精神的に煮詰まっていて、視野が狭くなっています。一旦、休暇、休職をして頭をリセットするのもいいでしょう。リフレッシュしてみると自分を客観的にみることができます。
転職
時間と労力をかけてせっかく取得した看護師資格です。それでも辛いと感じるのなら職場自体を変え、働き方を変えてみることも一考の価値があるでしょう。
タイプ別に向いている職場は次になります。
「急な対応は苦手」「コツコツ」タイプ
病院看護師で急な対応をするのが苦手という方には、ルーティンの仕事がメインの職場もあります。デイケアなど介護施設、検診センター、献血ルームなどは、イレギュラーな出来事がゼロではありませんが、急な対応や残業も少なく、比較的に自分のペースでやっていけます。
「一人一人の話をじっくり聞きたい」「量より質」タイプ
訪問看護や介護施設は、病院看護に比べると、一人一人に向き合って話を聞きながら接することができます。
訪問看護は、利用者の自宅に行き、利用者だけでなくご家族とも会話したりします。一人一人の背景と意思に合わせたケアを考えて、向き合って看護したい方には向いています。
「高齢者と話すのが得意」「共感力高め」タイプ
看護師は様々な世代、老若男女と接する機会が多いです。中でも高齢者から「話しやすい」と言われたことがあったり、共感力があるタイプの人は療養型病院や介護施設がおすすめです。少子高齢化で需要があるので、能力を活かして働けます。
また、上段のとおり、訪問看護でも一人一人とのコミュニケーションが重要になってくるので、共感力が高い人はお勧めです。
「同時にいろんな仕事をサクサクさばくのが好き」「マルチタスク型」タイプ
「医療処置が好き」「エネルギッシュと言われる」
たくさんのタスクや処置をどんどん片付けることが快感なタイプの人は急性期病院がお勧めです。突然の事態に直面することが多くても、テキパキ効率よく処理するのが得意な人に向いています。
「規則正しい生活・休みは絶対!」「生活リズムは正しく」タイプ
規則正しい生活を送りたい人や、夜勤による不規則な生活が辛い人は、クリニックや訪問診療、訪問看護がおすすめです。
基本的に夜勤がないところが多く、勤務時間は9〜18時頃となります。休日は完全週休2日制、決まった生活リズムを重視する方にお勧めです。
「子どもを相手にするのが好き」「子供を見守りたい」タイプ
「子どもと接するのが好き」「育児の経験を活かしたい」方は保育園や乳児院がおすすめです。
子供の純粋なエネルギーは、自分ではできない気づきや発見があり、また成長に触れることは働く喜びにもなります。看護を通じて子どもたちと総合的に関わることができます。
時間と労力をかけてせっかく取得した看護師資格です。看護師自体を辞める前に、自分の性格や得意なことを棚おろししてみてください。「この職場だったら出来きそうだな」というところはチャレンジしてみましょう。